捻挫のあと、「腫れが引いたから走ってもいいの?」「いつから足を動かせばいいの?」と迷うことがあります。リハビリは、日数だけで進めるものではありません。痛み、歩き方、足首の動き、筋力、競技に必要な動きを確かめながら、少しずつ負荷を戻していきます。
この記事は、骨折などがないと確かめられ、外側の靱帯の捻挫として運動を始めてよいと言われた方に向けた、一般的な整理です。手術後や骨折、脛腓靱帯の損傷では、別の制限があります。指示された荷重や動かす範囲を優先してください。

最初に「動かしてよい状態」を確かめる
体重をかけられない、骨のまわりが強く痛む、変形やしびれがあるときは、運動より先に診察を受けます。診断を受けたあとでも、痛みや腫れが増えるなら、計画を見直します。捻挫の基本は、足関節捻挫の記事で確かめられます。
2021年のガイドラインでは、症状や損傷の程度に合わせた外部サポートと段階的な荷重、そして機能に合わせた運動療法が重視されています。全員が同じ日に、同じメニューを始めるわけではありません。〔1〕
段階1:足首の動きと歩行を整える
許可された範囲で、座ったまま、足首をゆっくり上下に動かします。強く痛む方向には無理に押し込まず、小さな動きから始めましょう。例として5回ほど動かして反応を見る方法がありますが、これは誰にでも共通の量ではありません。
歩くときは、「どれだけ歩けるか」だけでなく、片側をかばっていないかも見ます。歩く時間を一度に延ばさず、短い移動と休憩に分けると、その日の反応を把握しやすくなります。松葉杖や装具をいつまで使うかは、担当者に確かめてください。
段階2:筋力と片脚で支える力を戻す
床での両脚の踵上げや、支えに手を添えた片脚立ちが、候補になります。踵上げはゆっくり行い、体重が片側に逃げていないかを見ます。片脚立ちは、安定した床で、目を開けた状態から始めましょう。
回数より確認したいこと
- 運動中に痛みが増え続けていないか
- 終わったあと、歩き方が悪くなっていないか
- 翌日、腫れや痛みが普段より増えていないか
たとえば「両脚の踵上げを少ない回数で試す、翌日の反応を記録する、量を調整する」という流れです。具体的な回数は、体力や症状に合わせて決めます。運動の種類を一度に増やすと、悪化した原因が分かりにくくなります。
段階3:走る・止まる・方向を変える
歩くことと基礎的な運動が安定してから、ジョギングや競技の動きに進みます。バスケットボールなら、まっすぐ走るだけでは足りません。減速、横への移動、着地、相手への反応も必要です。直線を走れたことだけで、試合に戻ってよいとは考えません。
練習の進め方の例は、「接触のない個人練習」「チーム練習の一部」「通常練習」です。これは順序を整理した案で、各段階を通過すれば合格という検査ではありません。PAASSを使った競技復帰の考え方とあわせて相談してください。
リハビリ記録の例
| 記録する項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 行った内容 | 歩行10分、両脚踵上げ5回 |
| 運動中 | 痛みの場所、かばう動き |
| 終了後 | 痛み・腫れの変化 |
| 翌日 | 朝の歩きやすさ、腫れ |
表の数字は、記録のしかたの例です。おすすめの運動量ではありません。記録を担当者に見せると、負荷について具体的に相談できます。
よくある疑問:痛みがなければ終了?
痛みが少なくなっても、不安定な感じや、競技の動きの不足が残ることがあります。日常生活と試合では必要な力が違うため、目標とする動きまで確かめましょう。ぐらつきが続くときは、バランス練習も参考にしてください。
参考資料
- 1. Martin RL, et al. Lateral Ankle Ligament Sprains: Revision 2021. J Orthop Sports Phys Ther. 2021;51(4):CPG1–CPG80.
資料確認日:2026年10月9日。記事内の記録表・相談例はPT NOTEによる整理です。運動の開始量や進め方は個別に調整してください。この記事は一般的な情報であり、個別の診断・治療を代替しません。


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