捻挫のあと、痛みは減ったのに、片脚で立つとぐらつく。そんなときは、立つ時間を延ばすだけでなく、足で体を支えながら動く練習も考えます。
バランス練習は、骨折などがないと確かめられ、片脚に体重をかけてよいと言われてから行います。けがの直後や、荷重を制限されている間は、無理に始めないでください。

なぜ片脚立ちを練習するのか
バランスには、足首だけでなく、目からの情報や足裏の感覚、膝や股関節、体幹の動きも関わっています。ぐらつきを「足首の筋肉が弱いだけ」と決めつけず、動き全体を見ていきます。
慢性的な足首の不安定感については、ガイドラインで、感覚と運動の制御を含む運動療法が取り上げられています。サポーターだけでバランス機能を改善しようとする方法は、推奨されていません。〔1〕
準備:転倒しにくい場所を選ぶ
場所は、安定した床を選びます。壁や動かない台に手を添えられる位置にしましょう。まわりの物は片づけて、滑りやすい靴下や床も避けます。最初から、クッションの上に乗ったり、目を閉じたりする必要はありません。
練習1:支持を使った片脚立ち
両脚で立ち、壁に指を添えて、片方の足を少し浮かせます。支える足が痛くない範囲で、短い時間から試しましょう。例として、5~10秒を数回行う方法があります。これは始め方の提案で、標準的な処方ではありません。
足を床につくことは、失敗ではありません。手の支えがどのくらい必要か、何秒ほど姿勢を保てるかを記録しておきます。同じ条件で比べると、変化が分かりやすくなります。
練習2:空いている足を小さく動かす
片脚立ちが安定してきたら、反対の足を前や横に少し動かします。支えている足の踵やつま先が大きく浮く、痛みが出る、体を強くひねってしまうといったときは、動かす範囲を小さく戻します。
どれだけ遠くに伸ばせるかを競う必要はありません。足を動かしても、支えを使いながら安全に戻れる範囲を選びます。左右差は参考になりますが、反対の脚も十分に働いているとは限りません。
練習3:競技の課題を少し加える
ボールを持つ、ゆっくりパスをするなど、競技の要素を少し足す方法もあります。ただし、床を不安定にして、目も閉じて、ボールも使う、といった進め方は避けましょう。変える条件は、一度に一つだけにします。
着地や方向転換は負荷が高い動きです。片脚で立てただけで先に進まず、始める時期を担当者と相談してください。試合に戻るときは、PAASSの5領域も確かめます。
上達を確認するための記録表
| 条件 | 記録の例 |
|---|---|
| 床・靴 | 床、運動靴 |
| 手の支持 | 指1本、手のひらなど |
| 課題 | その場、反対足を前へ動かす |
| 反応 | 痛み、足を着いた回数、翌日の変化 |
ただ長く立てるかどうかより、同じ条件で比べるほうが役に立ちます。ぐらつきが続く、捻挫を繰り返すといったときは、練習量だけで何とかしようとせず、評価を受けましょう。
よくある疑問:毎回難しくするべき?
疲れが強い日や、痛みが増えた日は、やさしい条件に戻して構いません。難しい課題が一度できることと、安定して繰り返せることは別です。基礎からの流れは、捻挫のリハビリも参考にしてください。
参考資料
- 1. Martin RL, et al. Lateral Ankle Ligament Sprains: Revision 2021. 慢性足関節不安定症と運動療法の推奨を参照。
資料確認日:2026年10月9日。記事内の記録表・相談例はPT NOTEによる整理です。運動の開始量や進め方は個別に調整してください。この記事は一般的な情報であり、個別の診断・治療を代替しません。


コメント