捻挫を繰り返す・足首がぐらつく|慢性足関節不安定症で確認したいこと

「捻挫の痛みは減ったのに、またひねりそうで怖い」「でこぼこ道や着地で足首が抜ける感じがある」。捻挫後には、痛みと別にこうした困りごとが残ることがあります。

繰り返す捻挫や不安定感に関わる状態の一つが、慢性足関節不安定症(CAI)です。足首がぐらつく理由を、靱帯のゆるみだけで決めつけないことが、リハビリを考える出発点になります。

慢性足関節不安定症とは?

捻挫の後に、再びひねる、足首が意図せず崩れるように感じる、不安定で活動しにくいといった問題が持続する状態を捉える概念です。教科書では、靱帯などの機械的な問題、筋機能やバランスなどの機能的な問題、本人の不安定感を併せて評価しています。[1]

一度ふらついただけでCAIと決まるわけではありません。受傷からの期間、再発の状況、診察、質問票などを通じて評価します。また、ぐらつきの原因がすべて捻挫とは限らないため、自己診断は避けましょう。

3つの視点で困りごとを整理する

視点 確認する内容 本人が伝えられること
構造・関節 靱帯や関節の状態、痛み・腫れ いつ、どちら向きにひねったか
動きを支える機能 筋力、可動域、バランス、動作の制御 平地・段差・着地のどこで困るか
本人の感覚と活動 不安定感、自信、避けている動作 何が怖くて、何に戻りたいか

これは教科書の評価の枠組みを一般向けに整理した表です。構造の検査は医療職が行います。自分や家族で足首を強く引っ張ったり、ひねってゆるみを試したりしないでください。

痛みが軽くても、動作の課題が残ることがある

歩けるようになると「もう治った」と感じやすいものです。一方、日常の歩行と、疲れた状態での着地・急な切り返しでは要求が異なります。普段は平気でも、特定の場面で困ることがあるため、その場面を聞き取ることが重要です。

ガイドラインでも、可動域、筋力、バランス、本人の不安定感などを扱います。[2]一つのテストや左右差だけで、復帰の可否を決めるものではありません。

リハビリで取り組むこと

1.必要な動く範囲を確保する

足首を曲げる動きが制限されている場合などは、痛みや原因を評価し、必要な範囲を取り戻すことを検討します。「柔らかいほどよい」ではなく、安定して使えることが目標です。

2.足首・下肢の筋力を段階的に使う

足首を外へ動かす運動、踵上げ、立ち座りなどから、本人の課題に合うものを選びます。ゴムの強さや回数を先に決めるより、痛みや動きの質を見ながら調整します。すべての人に同じ種目が必要なわけではありません。

3.バランスと動作の制御を練習する

安定した床と支えを用意した練習から、必要に応じて重心移動やステップへ進めます。閉眼や不安定なクッションを使えば必ず効果が高いわけではありません。足首が崩れる状態のまま難度を上げないことが大切です。

4.目標となる動作へつなげる

スポーツ復帰なら、走る、止まる、跳ぶ、切り返すといった動作を段階的に確認します。ジャンプや方向転換は、痛み・腫れと機能を評価したうえで担当者と進めましょう。日常生活が目標なら、通勤路や階段など本人に必要な場面を扱います。

サポーターは「支える役割」と「練習」を分けて考える

サポーターやテーピングは、使う場面に応じた選択肢です。ただし、装着して不安が減ったことと、筋力やバランスの課題が解決したことは同じではありません。教科書でも補装具と機能への対応を組み合わせて考えています。[1]

サイズや圧迫感、皮膚の状態を確認し、しびれや皮膚の変色があれば使用を中止して相談します。「ずっと着ける」「すぐ外す」の二択ではなく、練習中・試合中・日常など目的を整理しましょう。

受診時に伝えたい5項目

  1. 最初にひねった時期と、その後の再発。
  2. 崩れる感じが出る場面と頻度。
  3. 痛み、腫れ、引っかかりの有無。
  4. これまで行った運動や装具と、その反応。
  5. 戻りたい仕事・生活・競技。

回数を正確に覚えていなくても大丈夫です。「最近は週に何度か」「試合後半に多い」など、おおよその状況が相談に役立ちます。

新しくひねったときは、以前と同じと決めない

いつもの捻挫と思っても、骨折などを伴う可能性があります。体重をかけられない、変形や強い腫れ、しびれがある場合は受診を優先してください。長引く痛みや引っかかりがある場合も、バランス練習だけで様子を見続けず再評価を受けましょう。

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参考資料

  1. 越野裕太「足関節安定性障害」pp.83、90。片寄正樹 監修、小林匠・三木貴弘 編集『足部・足関節理学療法マネジメント』メジカルビュー社、2018年。
  2. Martin RL, et al. Lateral Ankle Ligament Sprains: Clinical Practice Guidelines. 2021.
  3. NHS:Ankle pain(受診目安の参考)。

資料確認日:2026年10月22日。一般的な学習・情報提供を目的とした記事です。表や説明はPT NOTEが独自に構成し、教科書の図・写真・本文は転載していません。個別の診断や運動処方は担当の医療職に相談してください。

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